工藤元(kudogen)はてなブログ

工藤元(kudogen)。1990年生まれの31歳。大阪府在住。 映画・ドラマが大好きで、年間200タイトル以上を視聴しています。

脚本

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・ゲームセンター前(現在・夜)(2)

結衣、逃げようとするが、宏和が立ちふさがる。 結衣「通して!」 宏和、優しい口調で。 宏和「結衣ちゃん、ダメだよ。朝も言ったけど、確かめさせてよ」 宏和、結衣の手を掴む。 結衣、泣きながら。 結衣「いやだ、放して」 周りに人だかりができ、ざわめき…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・ゲームセンター前(現在・夜)(1)

○繁華街・ゲームセンター前(現在・夜) 光と音を発する、UFOキャッチャーやゲーム機が店の前に並んでいる。 ゲームセンターの中から、1人の少女が現れる。 宏和「結衣ちゃん!」 霞「あれは、朝公園にいた女の子?」 少女、宏和の方を見ると、一瞬顔をこ…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・路上(現在・夜)(2)

エリカ、宏和の胸ぐらを掴み、口を尖らせて。 エリカ「お前、いい加減にしろよ。パパ活の客が逃げちまったじゃねぇか。どうしてくれんだよ。だいたい、私が何しようとお前に関係ないだろ?」 宏和、真剣な顔で。 宏和「関係ない?そんな事ないよ。全て僕に関…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・路上(現在・夜)(1)

○繁華街・路上(現在・夜) 宏和、何かを見つけたように歩き出す。 エリカ、中年男性と腕を組んでこちらに向かって歩いてくる。 宏和、満面の笑みで。 宏和「エリカちゃん!」 エリカ、ちっ、と舌打ちし、白目を向いて反対を向く。 中年男性「何、知り合い?…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・コンビニ前(現在・夜)(2)

健二「なんだよ、おっさん。昨日話したばっかりだろ。」 宏和「昨日仕事したからって、今日も仕事してるとは限らないじゃないか」 少年たち、一斉に笑う。 別の少年「違いないって、いつも半端ねぇな、おっさん」 健二「おっさんには敵わねぇな。大丈夫だよ…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・コンビニ前(現在・夜)(1)

○繁華街・コンビニ前(現在・夜) 宏和、路上で座る少年たちに笑顔で。 少年たちは、坊主頭で、腕には大きな入墨が描かれていて、通行人を威嚇するように睨みつけている。 宏和「健二君、どう調子は?紹介した仕事は続いてる?」 健二と呼ばれた少年が笑って…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・居酒屋前(現在・夜)(2)

カバンからティッシュを取り出し、酔っぱらいの口を拭き、ミネラルウォーターを取り出し飲ませる。 宏和「ほら、これ飲んで」 酔っぱらい、ペットボトルの水を飲む。 宏和「ほら、立てる?しっかりして 宏和、酔っぱらいに肩を貸して歩かせる。 酔っぱらい「…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○繁華街・居酒屋前(現在・夜)(1)

○繁華街・居酒屋前(現在・夜) 繁華街に若い男女があふれ、活発な笑い声が響いている。 宏和、繁華街を歩いていく。 霞、宏和の後ろをついていく。 霞「どこに向かっているんだろう?」 宏和、酔って路上で寝ているサラリーマンを揺さぶりながら。 宏和「ど…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○オフィス街・路上(現在・夕方)(3)

宏和「あっ、ちょっとエリカちゃん・・・」 宏和、しばらく呆然と立ちすくみ、鞄を拾い汚れをたたくと、歩きだす。 霞、歩く宏和を見ながら呟く。 霞「なんでこんなおせっかいなの、この人」 霞、宏和と反対方向に歩き出すが、立ち止まって考える仕草で。 霞…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○オフィス街・路上(現在・夕方)(2)

宏和「おっ」 宏和、突然走り出し、沢井エリカ(17)の肩をたたく。 エリカは、金髪でスカートの丈がとても短い。 宏和「エリカちゃん、久しぶり。元気?」 エリカ、振り向くと嫌そうな顔をする。 エリカ「またおっさんかよ、何の用だよ」 宏和「まあ、そう…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○オフィス街・路上(現在・夕方)(1)

霞が、道路を足早に歩いている。 霞、朝の宏和とのやりとりを思い出しながら呟く。 霞「本当におせっかいな人でイライラする。悩み事?関係ない他人に話したって何になるのよ」 霞、宏和が前を歩いているのに気づく。 宏和、霞に気づかず歩いていき、歩道に…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○オフィス(現在・朝)(3)

同僚女性、同僚男性に小声で話しかける。 同僚女性「なんで勝田さんって、あんなに他人に構うのかね。会社の同僚っていっても、所詮他人なのにね。」 同僚男性「そうそう。たまたま同じ会社にいるだけなんだから、何かあったって見て見ぬ振りでいいんだよ」 …

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○オフィス(現在・朝)(2)

宏和、一瞬真剣な顔をして、また笑顔で。 宏和「同じ会社で働く同僚だし、関係ないって事もないんじゃないかな。話してみたら楽になることもあるかもしれないよ。」 霞はバンと両手で机をたたく。 霞「私は大丈夫ですから。おせっかいはやめてください!」 …

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○オフィス(現在・朝)(1)

○オフィス(現在・朝) オフィスで男女の従業員が雑談している。 宏和、霞の席の前まで行き、霞に声をかける。 宏和「山村さん、おはよう。」 霞、小声で答える。 霞「おはようございます」 宏和、微笑みながら。 宏和「山村さん、前から思ってたんだけど、…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・居間(3年前・昼)

ソファーに、美智子と霞が座っている。 美智子「ねぇ、霞さん。逆立ち妊活どうだった?」 霞「それが、幸一さんが行きたくない様子で、まだ行ってないんです」 美智子「こうちゃんは行く必要ないじゃない。一人で行ってきたら?」 霞、俯いて、小さく頷く。 …

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・寝室(3年前・夜)(2)

霞「でも、せっかくお義母さんが勧めてくれたから・・・」 幸一「いや、俺、関係ないでしょ。」 霞、目を見張って声を上げて。 霞「関係ないってどういうこと?2人の子どもの事なんだよ」 幸一「だからさ、霞が妊娠しにくいのが原因なんだから、俺は関係ない…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・寝室(3年前・夜)(1)

○山村家・寝室(3年前・夜) 幸一と霞がベッドの背もたれに並んでもたれ、幸一はスマホをいじっている。 霞、責めるような口調で。 霞「ねえ、どうして私が病院に行った事、お義母さんに言ったの?」 幸一、スマホを見ながら。 幸一「別にいいじゃん、本当の…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・居間(3年前・昼)

霞、ソファーに座り雑誌を呼んでいる。 美智子、入ってきてソファーに座る。 美智子「霞さん、こうちゃんに聞いたわよ。例の病院の事」 霞、えっ、と驚いて。 美智子「まあまあ、それはいいじゃない。それよりね、いい話を聞いたのよ。隣の長谷川さん家にね…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・寝室(3年前・夜)(2)

霞「ねぇ、今更だけど、こうちゃんも、もちろん子ども欲しいよね?」 幸一「え、いや、もちろん欲しいよ。」 霞「そう、それならいいんだけど。ところで、念の為こうちゃんも、一度検査してみてくれない?」 幸一「いやぁ、それはいいよ。」 霞「え、どうし…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・寝室(3年前・夜)(1)

○山村家・寝室(3年前・夜) 幸一、ベットの上で胡座をかいている。 霞、化粧台の椅子に座っている。 霞「結局、卵管が少し閉じ気味というか、その、なかなか精子が卵子まで届きにくいってことみたい」 幸一、ホッとしたような声で。 幸一「姙娠しにくいって…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○病院・診察室(3年前・昼)

○病院・診察室(3年前・昼) 医師がカルテとPC画面を見ている。 霞、心配そうに医師の手元を見つめる。 医師「結論からすると、不妊の傾向があるという事になりますね」 霞、一段高い上ずった声で。 霞「不妊?子供ができないってことですか?」 医師「い…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○病院・待合室(3年前・昼)

○病院・待合室(3年前・昼) 小さな子供が走り回りはしゃいでいる。 ベンチには、妊婦たちが大きなお腹をなでながら、傍らの夫と笑顔で喋っている。 その中に、霞がひとり座っている。 看護師「山村さん、山村霞さん」 霞「はい、私です」 看護師「診察室へ…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・寝室(3年前・夜)

幸一、ダブルベッドの上で、背もたれにもたれ、スポットライトの灯りで読書している。 霞、化粧台の前で椅子にすわり、鏡を見ながらブラシで髪を梳かしている。 霞、幸一の方に振り返る。 霞「ねえ、私、やっぱり病院に行こうと思ってるんだけど」 幸一、本…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・居間(現在・夜)(4)

幸一「ごちそうさま、ママ。それじゃ、後は書斎で一人で飲むとするかな」 幸一、棚からウイスキーとグラスを取り出し、手に持って居間から出る。 美智子「さて、年寄りもお先に失礼しますよ。霞さん、洗い物よろしくお願いしますね」 霞、俯いたまま小さくう…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・居間(現在・夜)(3)

幸一「ママ、最近はいろいろ大変なんだよ。知ってる?マタハラって」 美智子「何?マタハラって」 幸一「マタニティ・ハラスメントの略。妊婦様には冗談も言えない時代なんだよ」 幸一、お猪口をぐっと飲み干す。 幸一「この前なんか部長がさ、2回目の産休取…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・居間(現在・夜)(2)

美智子、新しいつまみの入った皿を食卓に置き、椅子に座る。 美智子「そういえば、こうちゃん、従妹の詩織ちゃん、また妊娠してるんだって」 幸一「え、この前2人目産んだところじゃなかったっけ?」 美智子「そうなのよ。できるところには何人もできるもの…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・居間(現在・夜)(1)

○山村家・居間(現在・夜) 食卓には、様々な種類のつまみが入った小鉢が沢山並んでいる。 幸一が椅子に座り、赤い顔をして、お銚子を傾けてお猪口にお酒を注いでいる。 美智子、台所で何かを調理している。 幸一「おう、霞。今帰り?さすがエリートサラリー…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・玄関(現在・夜)

霞「ただいま帰りました」 家の奥から、山村美智子(59)が玄関に姿を現す。 美智子「お帰りなさい。ずいぶん遅いのね」 霞「申し訳ありません、忙しい時期で残業してきたので」 美智子、ふん、と鼻を鳴らす。 霞の目じりが痙攣する。 美智子「私の頃は、食事…

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○山村家・外(現在・夜)

○山村家・外(現在・夜) 古くて大きな一軒家。 霞、家から少し離れた場所に立っている。家を見上げた後、左胸に右手をあてる。 しばらく目を瞑った後、目を開けると大きく息を吸い、家に向かい玄関の扉を開ける。

工藤元(kudogen) 脚本『ウザい男と笑わない女』 ○オフィス(現在・朝)(3)

宏和、同僚男性の肩をポンと叩くと、霞の席の前まで歩く。 宏和「山村さん、おはよう」 霞、小声で。 霞「おはようございます」 宏和「どうした?元気ないんじゃないか?」 霞「・・・そんな事ありません」 霞、PCのキーボードを打ち始める。 宏和、しばら…