2021-09-10

工藤元（kudogen）　脚本『ウザい男と笑わない女』　○オフィス（現在・朝）（2）

脚本

同僚男性、同僚女性に小声で話しかける。

同僚男性「相変わらずだね、笑わない女」

同僚女性「本当にね、仕事はできるんだろうけど、愛想が悪すぎるよね」

宏和がオフィスの入口に現れる。

宏和「おはようございます！」

宏和、大声であいさつすると、ゆっくりとオフィスの机の間を歩いていく。

宏和「おはよう。あれ、髪型変えた？何かあったの？」

同僚女性「はあ、少し気分転換にと思って」

宏和、同僚女性ににっこりと笑いかける。

宏和「そう、いいね。良く似合ってるよ」

宏和、逆の席の同僚男性に声をかける。

宏和「どうした、目が充血してるよ。寝不足か？」

同僚男性「いや、昨日学生時代の友人と飲みすぎちゃいまして」

宏和「ははっ。楽しそうだな！でも、仕事に差し支えない程度でほどほどにな」

2021-09-09

工藤元（kudogen）　脚本『ウザい男と笑わない女』　○オフィス（現在・朝）（1）

脚本

○オフィス（現在・朝）

沢山の机が並び、男女の従業員が雑談している。

霞、足早に机の間を歩いていく。

同僚たち「おはようございます」

霞、同僚たちの挨拶には答えず、鞄を机の横に置き、席に座る。

課長「おい、山村！頼んでいた調査どうなってる？まだ出来てないのか！」

霞、無表情で。

霞「昨日作成して、もうメールで送ってありますが？」

課長「えっ、本当か？」

課長、ＰＣを操作する。

課長「おー、これか。悪い、悪い。」

霞、聞こえるほど大きなため息をつく。

課長、渋い顔をしてＰＣ画面を見つめる。

2021-09-08

工藤元（kudogen）　脚本『ウザい男と笑わない女』　○住宅街・路上（現在・朝）

脚本

○住宅街・路上（現在・朝）

霞、スーツ姿でハイヒールの音をたてながら、無表情で足早に歩いている。

歩行器を押す老人やランドセルを背負う子供たちが歩いていて、次々と霞に追い越される。

霞、前を歩いていたスーツ姿のサラリーマンの横を通るとき、肩が触れる。

サラリーマン、小さく舌打ちする。

霞、少しだけ後ろを振り向いて、すぐに前を向き歩いていく。

道路の横の公園に、勝田宏和(37)が木村結衣(6)と一緒にいるのが見える。

結衣、ブランコに1人で座り俯いている。

宏和は結衣の横にしゃがみ込み、何か話しかけている。

霞、宏和と結衣を横目で見て、足を止め、少し首を傾げる。

霞の目じりが痙攣したように小刻みに震える。

霞、眉間に皺を寄せこめかみを指で押さえ、小さなため息をつくと、前を向いて足早に歩き始める。

2021-09-07

工藤元（kudogen）　脚本『ウザい男と笑わない女』　○結婚式場・チャペル（5年前・昼）

脚本

○結婚式場・チャペル（5年前・昼）

沢山の参列者が座っている。

祭壇の前に、牧師と山村幸一(26・当時)が立っている。

ヴァージンロードを、山村霞(27・当時)が初老の男と腕を組み、歩いてくる。

2人が祭壇に到着し、幸一は霞の手を取り、幸一と霞、牧師の方を向く。

牧師「病める時も健やかなる時も、お互いを愛し敬い慈しむ事を誓いますか？」、

幸一「誓います。」

霞「はい、誓います。」

幸一は霞のヴェールを上げキスをする。

参列者が喝采を上げる。

幸一と霞はお互いを見つめ合う。

幸一「霞、必ず幸せにするよ。」

霞「うん。幸せになろうね。」

霞、大きく頷きながら笑顔を見せる。

参列者が大きな拍手を送る。

2021-09-06

工藤元（kudogen）　脚本『ウザい男と笑わない女』　◯登場人物

脚本

◯登場人物

山村霞（　32　）　　会社員。

勝田宏和（　37　）　　会社員。霞の同僚。

山村幸一（　31　）　　霞の夫。

木村結衣（　6　）　　放置児。

佐藤一朗（　52　）　　学童運営者。

沢井エリカ（　17　）　　女子高生。

山村美智子（　59　）　　宏和の母。

勝田美穂　　勝田の妻。

初老の男　　霞の父。

牧師　　教会の牧師。

課長　　霞の上司。

同僚男性　　霞と宏和の同僚。

同僚女性　　霞と宏和の同僚。

医師　　産婦人科の医師。

看護師　　産婦人科の看護師。

健二　　繁華街で遊ぶ若者。

少年　　繁華街で遊ぶ若者。

警官　　繁華街で働く警官。

婦警　　繁華街で働く婦警。

中年男性　　パパ活を利用する男性。

半グレA　　繁華街を拠点とする半グレのリーダー。

半グレB　　繁華街を拠点とする半グレのメンバー。

半グレC　　繁華街を拠点とする半グレのメンバー。